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M&A用語+

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M&A用語+

M&A用語は専門的なものが多く、誤用もされやすく、要注意です。
売却価格等の条件は、「取引関係者による評価」で決まります。
売主が成行任せは禁物で「買主サイドの評価を想定した準備」が勝敗を分けるのです。
取引関係者は、買主本人(買主の社内でも賛成派、反対派がいることも)だけではありません。
専門家(会計士、税理士、弁護士、コンサルタントが精査結果や価値評価を買主に報告)や、
銀行(買収資金の融資可否判断や融資条件を検討)等がどう評価するか、などなど。
買主サイドでもそれぞれの利益やリスクがあって、それぞれの主張があるのです。
正確な用語理解が、クライアント様の利益最大化への第一歩となります。
日本初の売主支援専業のM&A助言会社として、『売主様のためのM&A用語集』をご用意しました。
用語の意味に加え、知っておくべき豆知識をご紹介してますのでぜひ参考にしてください。

フレーミング効果(Framing Effect)

◆ フレーミング効果とは「同じ情報や選択肢が異なる方法で提示されると、人々の意思決定が変わる」という心理学的なアプローチから人間の非合理的行動パターンをモデル化したものである。情報がどのような「枠組み」や「文脈」に乗って提示されるかが、受け手の行動に影響を与えると主張する。

◆具体的には、以下のような事例を挙げられる。言い方、伝え方次第で行動が変わるということを意味しており、いかに情報提供の「方法」が重要かを示唆する。経営者として、また、オーナーとして参考にすべき理論の1つである。単純な内容の情報でも行動が大きく変わることから、いかに人間が合理的意思決定を苦手としているのかを示している。

医療におけるフレーミング効果:病気の治療法に関して以下の二つの異なる表現があると仮定。
ポジティブフレーム:「治療法Aを受ければ、90%の患者が治癒する。」
ネガティブフレーム:「治療法Aを受ければ、10%の患者は治癒しない。」
同じ情報(治癒率90%、失敗率10%)であっても、ポジティブな枠組みで提示されると治療を受ける意欲が高まり、逆にネガティブな枠組みだと治療を避けたくなる傾向がある。
消費者行動におけるフレーミング効果:商品の販売において、以下の二つの異なる表現があるとする。
ポジティブフレーム:「この製品は、10年間も使用可能です。」
ネガティブフレーム:「この製品は、10年後には使えなくなります。」
同じ内容であっても、ポジティブフレームの方が購入意欲が高まり、ネガティブフレームだと購入意欲が減少する。
リスクに関するフレーミング効果:薬の処方において、以下の二つの異なる表現が使われるとする。ポジティブフレーム:「この薬を使用すると、100人中90人が救われます。」
ネガティブフレーム:「この薬を使用すると、100人中10人が死亡する可能性があります。」
同じリスクを提示する情報であっても、ポジティブフレームでは人々が薬を選びやすく、ネガティブフレームではリスクを避ける傾向が強くなる。

【Plus】経営者にとってのリスク・チャンスとしては以下を挙げられる。

売上の短期的向上:ポジティブなフレームを活用することで、顧客の購入意欲を引き出し、売上を短期的に増加させることが可能である。例えば、製品の利点を効果的に強調し顧客の購買意欲を刺激する。
市場での差別化:競合他社との差別化を図るために、フレーミング効果を戦略的に活用することで、自社の強みを効果的にアピールし、市場での独自のポジションを確立することができる。
ブランド忠誠心の向上:適切なフレーミングを使うことで、長期的に顧客との関係を築くことができ、ブランド忠誠心を高めるチャンスがある。ポジティブなメッセージを通じて信頼を築き上げることが可能である。
ブランド信頼性の低下:フレーミングがあまりにも過剰で不誠実に感じられると、長期的に顧客からの信頼を失うリスクがある。

【Plus】オーナーとしてのリスクとチャンス

企業価値の向上:フレーミングを上手に使って企業の価値や独自性を明確に伝えることができれば、オーナーとしての地位を強化し、大きな利益を得ることが可能である。