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M&A用語+

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M&A用語+

M&A用語は専門的なものが多く、誤用もされやすく、要注意です。
売却価格等の条件は、「取引関係者による評価」で決まります。
売主が成行任せは禁物で「買主サイドの評価を想定した準備」が勝敗を分けるのです。
取引関係者は、買主本人(買主の社内でも賛成派、反対派がいることも)だけではありません。
専門家(会計士、税理士、弁護士、コンサルタントが精査結果や価値評価を買主に報告)や、
銀行(買収資金の融資可否判断や融資条件を検討)等がどう評価するか、などなど。
買主サイドでもそれぞれの利益やリスクがあって、それぞれの主張があるのです。
正確な用語理解が、クライアント様の利益最大化への第一歩となります。
日本初の売主支援専業のM&A助言会社として、『売主様のためのM&A用語集』をご用意しました。
用語の意味に加え、知っておくべき豆知識をご紹介してますのでぜひ参考にしてください。

優良ビジネスブローカー4(2)要件(4 (2) Key Qualifications for High-Quality Business Brokers)

◆優良ビジネスブローカーとは、以下の4つの要件を充足するM&A業者のことである。

①「 職業倫理意識」が高いこと。つまり「目先の自分の利益」より「クライアントの利益」を優先できること。自らが目先の利益のため詐欺的行為を行ったり、詐欺的行為目的の関係者に協力しない、案件関係者に騙す意図がないことを積極的に検証する、といった当たり前の「慎重なプロ意識(プルーデントマンシップ)」を持っていること。

②最低でも対象企業の「事業理解」と「会計に関する知識(簿記2級合格レベル)」が直接の案件担当者に備わっていること

③(数千万円以下の零細企業等を売りたい場合)「中小以下買主候補の探索能力」(つまりテレアポ・DM営業の人海戦術開拓営業)に優れていること。

④(できれば)「クライアントの取引相手から報酬を受領しない常時FA」であること(状況次第であるが、零細案件も手掛けてくれる要件充足FA(=優良M&Aアドバイザー)も存在する)。

【Plus】事業理解と簿記2級レベルの会計知識すらないド素人に、売主の人生を委ねてはいけない。「マッチングだけで両方から5%もらえてボーナスもすごい」という理由だけで入社する「一攫千金サラリーマン」が多いので、本当に慎重に確認する必要がある。トラブル、紛争や裁判の話は実によく耳にする。たしかに「リョーテホーシュー&サイテーセーコーホーシューという名のドラッグ」を使えば、無能でも運が良ければテレアポとメールしてるだけで一攫千金できてしまう。参入したがるド素人が列をなしているわけである。そのド素人は入社数か月以内に「M&Aのプロ」として会社売却案件の責任者デビューする。あなたの会社の案件担当者がそういう人かもしれない。必死に練習した笑顔は素敵だが騙されてはいけない。

【Plus】ビジネスブローカーの社内に専門家がいても、担当者本人が無能であれば無意味である。複雑系の情報共有に要する時間やその困難さを鑑みると「必要となればいつでも社内に常駐している専門家と協力できるので、僕はまったくわかりませんが、まったく問題ありません!」は非現実的なのである。例えば、銀行の「担保依存体質」や「経営者保証依存体質」がなぜ起きているのか考えてみてほしい。「一流大学を優秀な成績で卒業した一流ビジネスマンの銀行員で構成される銀行でも、融資先企業の返済能力を自信をもって評価できない」ことを示唆している。返済能力の評価は、ビジネスブローカーが対峙する問題よりも狭く単純な問題である。それでも一流ビジネスマンが「同じ行内の上席者や審査担当者を説得する自信がない」のである。ビジネスの成否問題は、多数の連立方程式を解くような難題である。その式の構造とインプットデータを、自分が理解し、隣に座ってる人の頭にも過不足なくインプットし、その人から正しい回答を引き出すことは、難しい事なのである。「まったく問題だらけ」である。

【Plus】上場企業や投資ファンド等の「M&A案件の買主プレイヤー」は、零細規模案件に関心を示さない。零細規模案件に関心を示すのは、中小企業か個人の買主に限定される。そうなると、候補は無名な会社や個人となる。膨大な候補から具体的打診まで到達できるかが、成約以前の必須条件となる。実は、この場面でのみ「質を伴わない量」が意味を持つ。テレアポ営業やDM営業の出番なのである。このミッションは、世界の一流投資銀行のM&Aバンカーではクリアできない。知らない会社や個人を探すには、コールド営業の専門家であるM&A仲介業者が適任となる。ただし、頻繁にM&Aやビジネスブローカレッジの取引が成立している業界の場合、必ずしもコールド営業は必要ない。その場合は、その業種に強みを持つ常時FAのビジネスブローカーが安心である。

【Plus】ビジネスブローカーの中には「片手成功報酬とした案件で、自らをFAと呼ぶ、仲介兼FAの兼務業者」も散見される。このタイプは、ほぼ例外なく無能ビジネスブローカーである。提供するサービスがM&A仲介のままであれば、片手成功報酬のM&A仲介であり、当然、FAでもM&Aアドバイザーでもない。つまり「不動産仲介業者が、買主を自ら探索できない場合に同業者に声掛けし、買主からの成功報酬はこの同業者が受け取るケース」と同じである。普段マッチングとパターン事務処理がメインなので、FA業務の半分以上をやる気もなければ、やったこともない。つまりできない。それでもFAを名乗るのは詐欺的なのである(FAを定義する法律もないので違法ではないが)。

【Plus】「利益相反問題を緩和する片手報酬でも頑張ります」ならまだわかる。ちなみに、この場合でも「売主からだけ報酬を頂戴する」でなければ、もちろん売主にとっての利益相反問題は緩和しないどころか悪化する。「売主完全無報酬」という悪質・無能ビジネスブローカーも増えている。当然、買主の便宜を裏ではこっそり図るに決まっている。広告で知ったのではないだろうか?エビで鯛を釣れるから広告をするのである。売主を食い物にしようとしているから「売主は無報酬」なのである。「3000万円の成功報酬を払わずに済んだ、賢いでしょ?」という売主に対し、「3億円安く売らせて買主から6000万円貰ったぜ、本当に賢いのは俺だ」という悪質・無能ビジネスブローカー、という構造がウラに隠れているのである。このような本来M&A案件にできる案件なら「優良M&Aアドバイザーに300万円の着手金を払っておけば、6億円高く売れたのに」でもある。