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M&A用語+

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M&A用語+

M&A用語は専門的なものが多く、誤用もされやすく、要注意です。
売却価格等の条件は、「取引関係者による評価」で決まります。
売主が成行任せは禁物で「買主サイドの評価を想定した準備」が勝敗を分けるのです。
取引関係者は、買主本人(買主の社内でも賛成派、反対派がいることも)だけではありません。
専門家(会計士、税理士、弁護士、コンサルタントが精査結果や価値評価を買主に報告)や、
銀行(買収資金の融資可否判断や融資条件を検討)等がどう評価するか、などなど。
買主サイドでもそれぞれの利益やリスクがあって、それぞれの主張があるのです。
正確な用語理解が、クライアント様の利益最大化への第一歩となります。
日本初の売主支援専業のM&A助言会社として、『売主様のためのM&A用語集』をご用意しました。
用語の意味に加え、知っておくべき豆知識をご紹介してますのでぜひ参考にしてください。

中小会計要領(Accounting Guidelines for Small and Medium-sized Enterprises (SMEs))

◆中小企業の会計に関する基本要領(中小会計要領)とは、中小企業向けに簡便さを重視した会計ルールである。中小会計指針が、財務会計税務会計の中間的な位置づけとして、担保や経営者保証に頼らない資金調達などをスムーズに行えるようにすることを目的とするのに対し、主に税務会計にとどめ、財務会計は最低レベルを求めているのが中小会計要領と言える。

◆上場会社や会社法上の大会社などは、投資家、債権者や取引先を保護する必要性が高く、厳格な企業会計基準(J-GAAP)に準拠した会計処理と独立監査人による監査証明が義務付けられている。一方、そうではない大半の中堅中小企業は、それを実施する余力がないのが通常であり、さらに、上場を予定したり、M&A会社売却を計画していない限り、厳格な会計ルールに準拠する必要もない。2005年に制定された中小会計指針も簡便な会計ルールであるが、それよりさらに簡便な会計ルールが必要であったことから、2012年に、さらに簡便な会計ルールとして、中小企業の会計に関する検討会(中小企業庁)により制定された。

◆中小会計指針と比較すると、税効果会計、退職給付会計や組織再編会計が組み込まれておらず、最低ラインの会計を実施することを予定している。中小会計要領で定められる各論部分は以下のとおり。

1 収益、費用の基本的な会計処理
2 資産、負債の基本的な会計処理
3 金銭債権及び金銭債務
4 貸倒損失、貸倒引当金
5 有価証券
6 棚卸資産
7 経過勘定
8 固定資産
9 繰延資産
10 リース取引
11 引当金
12 外貨建取引等
13 純資産
14 注記

【Plus】未上場会社の株主は大半が個人またはその親族に限定されている。そのため外部株主保護の必要性がなかったと言える。しかし、中堅中小M&Aを検討するのであれば、売主は、売却額が過小評価されたり、一流の買主から拒否されるリスクを減らすため、売却準備の中で効率的かつ効果的に財務会計へのレベルアップの準備だけ(準拠は不要)でもしておくべきである。厳格な財務会計に対応している上場会社や上場会社への売却を想定する投資ファンドに売却することによって、高額評価で売却したいと考える売主においては、売却準備の必要性は高いと言える。

【Plus】一方、零細ビジネスブローカレッジを計画している場合、買主も未上場企業であったり、個人であるケースが多いため、財務会計のレベルアップの必要性はない。しかし、ビジネスブローカーの中には、M&Aバリュエーションの素人である売主を手玉に取り、PMI能力の低い買主に安く買わせ、成約後にPMIサービスを提供するケースもあるようである。当然のことながら、このPMIサービスのコストは売主が実質的に負担している。安く売らされ、自分が受け取らない便益の対価を支払わせられながら、さらに高額な最低成功報酬を負担させられ、手取りが微々たるものになる。ビジネスブローカーの悪質性について慎重に確認してから依頼すべきである。