◆従業員バイアウト(EBO)とは、MBOの変形バージョンである。つまり、MBOでは対象企業の経営者(Management)が買主(通常はSPC)の株主となって対象企業を買収(Buyout)するが、EBOでは対象企業の従業員(Employee)が買主の株主となって対象企業を買収する。実質的な事業リーダーが役員ではなく従業員の地位である場合のMBOをEBOと呼ぶということである。
◆例えば、M&Aスキームのうち、企業丸ごと買収スキーム(株式譲渡等)ではなく、企業の一部買収スキーム(事業譲渡や会社分割)の場合、対象事業のトップは執行役員とか事業部長などの従業員ステータスの場合も多い。このような場合にEBOが使われる。
◆従業員の自己資金で買収資金を賄えるケースはほぼ皆無であろうから、自己資金に加え、投資ファンドのエクイティ資金を加え、さらにレバレッジ効果を期待して銀行ローン(LBOファイナンス)などのデット性資金も加えることが多い。この場合にはLBOのEBOとなる。