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M&A用語+

M&A用語は専門的なものが多く、誤用もされやすく、要注意です。
売却価格等の条件は、「取引関係者による評価」で決まります。
売主が成行任せは禁物で「買主サイドの評価を想定した準備」が勝敗を分けるのです。
取引関係者は、買主本人(買主の社内でも賛成派、反対派がいることも)だけではありません。
専門家(会計士、税理士、弁護士、コンサルタントが精査結果や価値評価を買主に報告)や、
銀行(買収資金の融資可否判断や融資条件を検討)等がどう評価するか、などなど。
買主サイドでもそれぞれの利益やリスクがあって、それぞれの主張があるのです。
正確な用語理解が、クライアント様の利益最大化への第一歩となります。
日本初の売主支援専業のM&A助言会社として、『売主様のためのM&A用語集』をご用意しました。
用語の意味に加え、知っておくべき豆知識をご紹介してますのでぜひ参考にしてください。

従業員退職金(Employee Retirement Benefits)

◆従業員退職金とは、労働者が退職する際に雇用主から支給される金銭的給付のこと。法律上の支給義務はないが、就業規則や労働協約などで明文化されている場合には、支給が義務化される。退職年金制度と退職一時金制度の2種類が存在する。

◆退職金制度を設ける目的は以下のとおり。

長期勤続の促進:企業への定着率を向上させ、経験豊富な人材を確保するため
優秀人材の採用促進:優秀な人材の採用競争力を高め、雇用市場での魅力を向上させる

◆中堅中小企業向けの主な積立方法とその特徴比較

制度名積立方式企業の負担従業員のメリット柔軟性
社内積立制度企業内部で積立企業負担倒産リスクあり柔軟に変更可能だが、資金繰り悪化時にリスク
中小企業退職金共済(中退共)企業外部で積立企業負担(全額損金算入可)倒産リスクなし掛金の増減は可能だが、手続きが必要
確定給付企業年金(DB)企業外部で積立企業負担将来の受取額が確定運用リスクは企業側負担のため企業の柔軟性低い
確定拠出企業年金(DC)企業外部で積立企業負担に加え従業員拠出も可能将来の受取額が運用次第で増加運用リスクは従業員側のため企業の柔軟性あり

◆退職金制度を変更する方法は以下のとおり。

就業規則の改定:労働者代表等との協議を経て、合理的な範囲で変更可能
対象範囲の変更:役職者のみ適用、勤続年数による調整など
新制度への移行:既存の退職金制度を廃止し、新しい制度(確定拠出年金など)に移行する

◆退職給付会計の概要は以下のとおり。

退職給付引当金:企業の財務諸表上、将来支払う退職金のための退職給付引当金( = 退職給付債務 – 年金資産(時価) – 未認識債務)を計上する。確定給付(DB)では差額が発生するため引当金計上が必要であるが、確定拠出(DC)では拠出時に運用リスクを従業員に移転しているため差額は発生せず、引当金の計上も不要となる。
退職給付債務(PBO):将来支払う予定の退職金を割引率で現在価値に換算し、会計上の負債として簿外で認識する。
退職給付費用:計算期間中の退職給付債務の増加額(勤務費用、利息費用、期待運用収益、過去勤務債務の費用処理額、数理計算上の差異の費用処理額、会計基準変更時差異の費用処理額)を退職給付費用として費用計上する。
・勤務費用:1期間の労働の対価として発生したと認められる退職給付
・利息費用:割引計算により算定された期首時点における退職給付債務について、期末までの時の経過により発生する計算上の利息
・期待運用収益:前期末の年金資産額に期待される収益率を乗じて計算される計算上の運用収益

◆退職所得課税の税務メリットは以下のとおり。

所得控除:勤続年数に応じた一定額を退職所得控除として課税所得を削減できる。
分離課税の適用:退職所得は分離課税かつ二分の一課税であり高額所得者ほど減税効果が大きい。
受取方法による税額の違い:退職金の受け取り方法によって税負担が異なる。

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