◆労働契約とは、労働者が使用者(企業)に対して労務を提供し、使用者がその対価として賃金を支払うことを約束する法的契約である(労働契約法第6条)。労働契約は、就業規則や労働基準法等の労働法に基づく範囲で、経営目標と均衡の取れた条件で締結される必要がある。労働契約は、労使間の権利義務を明確にし、経営目標の達成と労働者の保護を両立することを目的としている。
◆労働契約の前提となる労働法は「労働者保護」を目的としており、労使間でのパワーバランスが資本家有利の時代の名残りも強い。そのため経営者としては法規制を遵守するのは当然であるが、その範囲で経営目標を達成し、企業価値や株式価値を高める方法を模索する必要性が高まっている。
【Plus】柔軟な労働サービス調達の必要性
雇用契約と雇用契約以外の労働サービス調達契約に分類できる。いずれも経営サイドが必要とする「労働サービスという経営資源の調達」に関する契約であり、労働力の減少が長期間継続する見込みの日本においては、企業規模の長期成長とセットでない限り「超長期の固定費で解約困難」というリスクの高い契約となっている。「正社員神話」の強い日本では、優秀な人材を確保するには正社員での求人が有効であるが、労働サービスを機械に代替できないか、柔軟な労働サービスに代替できないかなど柔軟に調達方法を検討する必要性が高まっている。