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M&A用語+

M&A用語は専門的なものが多く、誤用もされやすく、要注意です。
売却価格等の条件は、「取引関係者による評価」で決まります。
売主が成行任せは禁物で「買主サイドの評価を想定した準備」が勝敗を分けるのです。
取引関係者は、買主本人(買主の社内でも賛成派、反対派がいることも)だけではありません。
専門家(会計士、税理士、弁護士、コンサルタントが精査結果や価値評価を買主に報告)や、
銀行(買収資金の融資可否判断や融資条件を検討)等がどう評価するか、などなど。
買主サイドでもそれぞれの利益やリスクがあって、それぞれの主張があるのです。
正確な用語理解が、クライアント様の利益最大化への第一歩となります。
日本初の売主支援専業のM&A助言会社として、『売主様のためのM&A用語集』をご用意しました。
用語の意味に加え、知っておくべき豆知識をご紹介してますのでぜひ参考にしてください。

外部性(Externity)

◆外部性とは、ある経済主体の行動が、他の経済主体に対して直接的な影響を与えるにもかかわらず、その影響が市場価格に反映されない状況を指す。外部性は、プラスの影響を与える正の外部性と、マイナスの影響を与える負の外部性の2つに大別される。

正の外部性: ある企業や個人の行動が他者に利益をもたらすが、その利益が適切に報酬として受け取られない状況。例としては、新駅等のインフラ開発、プラットフォームや技術革新などが挙げられる。
負の外部性: ある企業や個人の行動が他者にコストや損害を与えるが、そのコストが適切に負担されず損害を被る者がいる状況。環境汚染、交通渋滞や騒音被害などが典型的な例である。

◆外部性の問題を説明する経済学理論の中には、市場の失敗として認識されることが多く、政府の介入や課税、補助金といった手段で是正が求められることがある。一方で、コースの定理のように、当事者間での交渉によって外部性が解決できるケースも存在する。

【Plus】経営者としてのリスクとチャンスには次のような点がある。

短期的リスク: 負の外部性を引き起こす企業活動(例えば、排出ガスや騒音)が発生している場合、社会的反発や規制の強化によって事業コストが増大するリスクがある。外部不経済が発生すると、訴訟や罰金などの追加コストが企業にのしかかる。
短期的チャンス: 正の外部性を生み出す活動(例: 環境に優しい技術開発や、地域社会への貢献)を行えば、政府からの補助金や社会的評価が向上し、競争力を強化できる可能性がある。また、負の外部性を積極的に解消する企業活動を行うことで、顧客や投資家の信頼を獲得するチャンスとなる。
長期的リスク: 長期的には、負の外部性を放置しておくと、規制の強化や環境問題の長期化によって企業の成長に悪影響を与えるリスクがある。特に、環境問題や持続可能性に対する社会的な期待が高まる中で、企業の活動が非難される可能性がある。
長期的チャンス: 負の外部性を抑制する技術や取り組みを開発・実施することで、企業の競争優位性を高められる。持続可能なビジネスモデルを確立することは、企業価値の向上や投資家の評価を得るための長期的なチャンスとなる。

【Plus】オーナーとしての株式価値の観点からは、外部性がうまく解消されることが、企業の評判や業績にプラスに働き、株価が上昇する可能性がある。逆に、負の外部性が問題視され、規制や訴訟が続く場合、株価にマイナスの影響が生じる可能性が高い。

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