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M&A用語+

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M&A用語+

M&A用語は専門的なものが多く、誤用もされやすく、要注意です。
売却価格等の条件は、「取引関係者による評価」で決まります。
売主が成行任せは禁物で「買主サイドの評価を想定した準備」が勝敗を分けるのです。
取引関係者は、買主本人(買主の社内でも賛成派、反対派がいることも)だけではありません。
専門家(会計士、税理士、弁護士、コンサルタントが精査結果や価値評価を買主に報告)や、
銀行(買収資金の融資可否判断や融資条件を検討)等がどう評価するか、などなど。
買主サイドでもそれぞれの利益やリスクがあって、それぞれの主張があるのです。
正確な用語理解が、クライアント様の利益最大化への第一歩となります。
日本初の売主支援専業のM&A助言会社として、『売主様のためのM&A用語集』をご用意しました。
用語の意味に加え、知っておくべき豆知識をご紹介してますのでぜひ参考にしてください。

グレイナーの5段階成長モデル(Greiner’s Five Phases of Growth Model)

◆ グレイナーの5段階成長モデルとは、企業が成長する過程で直面する5つのステージと、各ステージで起こり得る危機、これらの一般化を試みた企業成長フレームワークである。組織拡大に伴う問題への対処に注目したフレームワークと言える。

◆企業の成長は直線的ではなく、各ステージで異なる挑戦や変革が必要、という考え方に基づいている。これは、売主や買主がM&Aの成功可能性を具体的なレベルで検討する際に有用な視点を提供する。

◆ グレイナーの5段階成長モデルの概要

1. 創造の段階:企業は製品やサービスの開発や顧客獲得に集中し、創造性や突破力が主導する時期。成功と組織拡大に伴い、創業者1人のリーダーシップだけだと徐々に限界が来る。
2. 方向付けの段階:より明確な経営方針や運営体制が整えられ、経営陣による経営管理が重要になる。現場の行動が管理者層の決定に依存してきて顧客とのズレが生じてくる。
3. 委任の段階: 現場に権限が委譲され、現場の自立性が高まり、事業部門ごとの独立運営となる。事業部門ごとに独自性が強化されていくにつれ、事業部門間の調和が取れにくくなる。
4. 協調の段階: 権限の委譲を維持しつつ、全社的な調整を図るため、ピラミッド型の管理体制が構築される。管理が煩雑になり、挑戦せず揚げ足を取る官僚的な行動が成長の足かせになる。
5. コラボレーションの段階: 柔軟な組織運営が行われ、部門間での協力体制が強化される。各組織の成長が頭打ちになり、新しい成長モデルを模索する必要が生じる。

【Plus】対象企業が第3段階(委任)や第4段階(協調)にある場合、自らがオーナーシップを持ちながらの成長に限界を感じるオーナー社長が多い。このタイミングでM&Aを検討することにより、企業価値が最も高い時期に売却できる。特に、管理の効率化や事業部門の自立化が進んでいる企業は、買主にとって魅力的なターゲットとなりうる。また、第5段階(コラボレーション)にある企業は、スタンドアローンでの成長の頭打ちに直面しやすい。この場合、M&Aを通じて他社とのシナジーを活かし、新たな市場や技術にアクセスできるため、成長の限界を突破することができる。

【Plus】 会社を高く売りたいオーナー社長にとって中堅中小M&Aを行うべき最適タイミングは、第3段階(委任)や第4段階(協調)の「成長は順調、でも自力だけでは成長が遅い時期」である。第2段階(方向づけ)にある場合でも中小ビジネスブローカレッジは可能であろう。商品・サービスや販売・マーケティングといったビジネスの核において、特別にユニークな強みを実現できているならば、価格水準が一気に上がる中小M&Aの土俵に乗る可能性もある。

【Plus】組織上の問題は、様々な課題の原因になりやすく、課題解決の障害にもなりやすい。特に、第2段階や第3段階にある企業では、リーダーシップや組織の安定性が重要な課題である。M&Aを検討するオーナー社長は「組織上の問題が大きく、買収自体が失敗に終わる、または、多額の組織改善コストを要するリスクがある」と買主に警戒されないため「リーダーシップの引継ぎや組織の統合」について事前に頭の体操をしておき、買主に情報開示や的確な質疑応答できるようにしておくべきである。買主の視点から対象企業の組織上の問題を自己点検し、PMIで必要不可欠な「柔軟性」を鍛えておくとよい。

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