Glossary

M&A用語+

TOP

→

M&A用語+

M&A用語は専門的なものが多く、誤用もされやすく、要注意です。
売却価格等の条件は、「取引関係者による評価」で決まります。
売主が成行任せは禁物で「買主サイドの評価を想定した準備」が勝敗を分けるのです。
取引関係者は、買主本人(買主の社内でも賛成派、反対派がいることも)だけではありません。
専門家(会計士、税理士、弁護士、コンサルタントが精査結果や価値評価を買主に報告)や、
銀行(買収資金の融資可否判断や融資条件を検討)等がどう評価するか、などなど。
買主サイドでもそれぞれの利益やリスクがあって、それぞれの主張があるのです。
正確な用語理解が、クライアント様の利益最大化への第一歩となります。
日本初の売主支援専業のM&A助言会社として、『売主様のためのM&A用語集』をご用意しました。
用語の意味に加え、知っておくべき豆知識をご紹介してますのでぜひ参考にしてください。

競争環境分析(Industry Analysis)

競争環境分析とは、競争優位性を確立するため、自社が属する市場での競争要因を把握・分析することを指す。競争環境を常に正確に理解することで、自社の立ち位置を明確にし、適切な経営戦略やM&A戦略を立案することができる。特に、M&A売主にとっては、競争環境分析を適切に行うことで、自社の強みを明確にし、シナジーの大きい買主候補に魅力的な成長戦略を提案できることにつながる。

競争環境を正確に把握するために、以下の情報などを収集する。できるだけ定点観測し、気付きを記録しながら、経営意思決定を改善していくことが望ましい。

カテゴリ具体的な情報
市場動向市場規模、成長率、トレンド(技術革新、規制変更など)
競争構造主要プレイヤー、市場シェア、競争激化の度合い
顧客動向主要顧客層、購買決定要因、ブランドロイヤルティ
競合企業情報主要競合の事業戦略、製品・サービス、価格戦略、マーケティング・営業戦略、コスト戦略、資金調達戦略など
コスト構造主要コスト要因、業界平均コスト
規制・法務環境業法・規制、政府の助成金や補助金
技術革新技術トレンド、知的財産の活用状況

◆競争環境分析に使える主なフレームワーク

主なフレームワーク概要活用場面
PEST分析1.政治(Political)
2.経済(Economic)
3.社会(Social)
4.技術(Technological)
の4要因で競争の前提条件を分析
・外部環境の変化を把握
・変化を事業機会に活用
5 Forces分析
(ファイブフォーシズ分析)
1.競争企業間の競争
2.新規参入の脅威
3.代替品の脅威
4.供給者の交渉力
5.顧客の交渉力
・競争環境の全体構造を分析
・具体的な競合企業の動向把握
SWOT分析S(Strength)=強み
W(Weakness)=弱み
O(Opportunity)=機会
T(Thread)=脅威
・自社の競争力を整理
・戦略策定に活用
VRIO分析V(Value)=経済価値
R(Rarity)=希少性
I(Imitability)=模倣困難性
O(Organization)=組織統合
・自社の持続的競争優位性を判断
・企業のユニークネス

フレームワークを活用する際には、以下の限界を理解しておくべきである。

▽定性要因の数値化困難性:競争環境変動要因には定性的な要因のものも強いが、数値化が難しい(可能ではあるが現実的には費用的に不可能)ケースが多い。
▽解釈の個人差:フレームワークでの分析結果に対する解釈次第で異なる結論(最適意思決定)が導かれる。一個人による分析・解釈の完結は避けるべきである。
▽時間経過:競争環境はダイナミックに変化するため、定期的な更新が必要となる。また、競争条件を大きく変更するイベント(画期的な技術の登場、法改正、天災、パンデミック等)が生じた際には、臨時で根本的なアップデートを必要とする。
▽業種やBMの差異:業界やビジネスモデルによって有益なフレームワークが異なるため、複数の視点を組み合わせ、総合的に評価する必要がある。
▽思い込み:客観的な視点が必要であるのに、先入観、成功体験や願望等が優先してしまうと、分析が意味をなさなくなる。必要に応じ、専門家による客観評価を参考にすべきである。特に、1社単独ではなく、2社間でのシナジー効果も考慮すべきM&A取引を予定しているM&A売主は、早めに優良なM&Aアドバイザーと二人三脚で売却準備を開始することが望ましい。

Copy Protected by Tech Tips's CopyProtect Wordpress Blogs.