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M&A用語+

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M&A用語+

M&A用語は専門的なものが多く、誤用もされやすく、要注意です。
売却価格等の条件は、「取引関係者による評価」で決まります。
売主が成行任せは禁物で「買主サイドの評価を想定した準備」が勝敗を分けるのです。
取引関係者は、買主本人(買主の社内でも賛成派、反対派がいることも)だけではありません。
専門家(会計士、税理士、弁護士、コンサルタントが精査結果や価値評価を買主に報告)や、
銀行(買収資金の融資可否判断や融資条件を検討)等がどう評価するか、などなど。
買主サイドでもそれぞれの利益やリスクがあって、それぞれの主張があるのです。
正確な用語理解が、クライアント様の利益最大化への第一歩となります。
日本初の売主支援専業のM&A助言会社として、『売主様のためのM&A用語集』をご用意しました。
用語の意味に加え、知っておくべき豆知識をご紹介してますのでぜひ参考にしてください。

買収後統合(Post-Merger Integration, PMI)

買収後統合(PMI)とは、M&A成約後に、買主企業対象企業とのシナジーを含む統合効果を最大化するためのプロセスを指す。M&A取引は成約で完了ではなく、PMIの成否がM&Aの成否を決めるといっても過言ではない。引退予定の売主にとっても対岸の火事と思うべきではない。高く売りたい売主こそPMIまで意識した売却準備情報開示が重要である。

PMIは多岐にわたるが、以下のような主要プロセスが含まれる。

▽経営統合・組織統合

経営方針の統一:グループ経営戦略の再構築、シナジー効果創出の具体的な方針決定
ガバナンス構築:意思決定機関メンバーの見直し、意思決定ルールの策定
組織構造の統合:組織の再編成、役割分担の明確化
人事制度の統一:役職・人事評価・報酬制度の調整

業務・オペレーション統合

・業務プロセスの標準化:重複・不要な業務の排除、全体業務フローの最適化
財務・会計の統合:連結決算スケジュール統一、会計基準の統一化(J-GAAP準拠など)
ITシステムの統合ERP導入・CRM等個別業務ITシステムの一本化、既存ITシステムからのデータ加工・移行

文化・組織風土の融合

企業文化の統合:企業理念等の共有、従業員向け説明会やワークショップの開催
従業員エンゲージメント強化:今後の経営ビジョンの明確化
リーダーシップの確立:統合後のリーダーを明確化し、企業価値向上のインセンティブを付与

マーケティング・SCM対応

ブランド戦略の統一:ブランド変更・統合の検討(ブランドエクイティの最大利用)
・顧客対応の一貫性確保:既存顧客への期待醸成・不安解消、クロスセル・アップセル戦略
・サプライチェーン統合:調達ルートや物流ネットワークの合理化

◆PMIの失敗は、買収の目的そのものを崩壊させる可能性がある。特に以下の要素で失敗すると深刻な問題に発展する。M&A買主が対象企業の株式価値を「ディスカウントしたくなる要素」とも言える。

失敗要因重大な問題
組織文化の不一致経営層と従業員の対立、モチベーション低下、エンゲージメント低下
人材流出キーマン退職による事業混乱、顧客離脱、得意先・取引先・技術等の機密の社外流出
ITシステム統合の失敗オペレーションの停滞・混乱、誤謬や不正のリスク、ITシステム開発費の積み上がり
業務フローの不統一非効率業務の増加、コスト削減効果の喪失
顧客対応の混乱ブランド価値の毀損、市場シェアの低下

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