◆暫定値とは、着地見通しの一種とも言え、開示する財務数値の確定度合いに関する前提を示す。
◆例えば、3月末決算の対象企業が、4月中に、まだ完全に確定しないが概ね固まっている前事業年度の実績を開示しなければならない場合「一部未確定だが、概ね確定値と考えもらって差し支えない未確定の財務数値」を開示する必要がある。この未確定だが概ね確定している財務数値を暫定値とラベリングするわけである。

【Plus】確定値が判明したら
暫定値を開示した場合、確定値が判明したら即座に買主に開示すべきである。できれば、暫定値と確定値の差異をわかりやすく表形式でまとめ、重要な差異があればその原因や背景等の説明も付記しておくと買主の印象がさらに良くなる。買主に誠意を示すこと、買主に財務情報の管理体制が整っていることをアピールすることで、余計なディスカウントを回避することに役立つ。