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M&A用語+

M&A用語は専門的なものが多く、誤用もされやすく、要注意です。
売却価格等の条件は、「取引関係者による評価」で決まります。
売主が成行任せは禁物で「買主サイドの評価を想定した準備」が勝敗を分けるのです。
取引関係者は、買主本人(買主の社内でも賛成派、反対派がいることも)だけではありません。
専門家(会計士、税理士、弁護士、コンサルタントが精査結果や価値評価を買主に報告)や、
銀行(買収資金の融資可否判断や融資条件を検討)等がどう評価するか、などなど。
買主サイドでもそれぞれの利益やリスクがあって、それぞれの主張があるのです。
正確な用語理解が、クライアント様の利益最大化への第一歩となります。
日本初の売主支援専業のM&A助言会社として、『売主様のためのM&A用語集』をご用意しました。
用語の意味に加え、知っておくべき豆知識をご紹介してますのでぜひ参考にしてください。

解雇制限(Ristrictions of Dismissal)

◆解雇制限とは、企業が労働者を解雇する際に適用される法律上の制約を指す。労働基準法および労働契約法に基づき、解雇は原則として「正当な理由」が必要であり、不当な解雇は法的に無効とされる。解雇制限は、労働者の生活保障と労働権の保護を目的とし、企業が一方的かつ恣意的に従業員を解雇することを防止するために存在している。

◆合法的な解雇に必要とされる「正当な理由」には以下が含まれる。労働契約法第16条に基づき、解雇は合理的な理由を欠き、社会通念上相当でない場合は無効とされる。これを「解雇権濫用の法理」と呼び、判例によって定着している。解雇が認められる例としては以下を挙げられる。企業価値へのインパクトという意味では整理解雇が重要である。

懲戒解雇:労働者が重大な規律違反を行った場合
普通解雇:能力不足や勤務態度の悪さが継続し、改善の見込みがない場合等(就業規則記載が必要)
整理解雇:普通解雇の1種で経営上やむを得ず人員削減を行う場合(「解雇4要件」必要)

◆企業経営において、人員調整は業績悪化時や事業再編の際に不可避である。また、技術進歩や労働需給の逼迫状況に際しては、労働サービス調達方法を最適化し、競争を勝ち抜き、企業の存続や成長が実現すべきである。日本では「解雇に対するアレルギー反応」が強いが、巨大なリスクを負っているオーナー経営者からすれば、選択肢として検討すべき企業価値向上の手段である。解雇制限が厳格過ぎる場合、ミクロ的・短期的には労働者の生活の安全が守られるが、マクロ的・長期的には労働者の幸福が損なわれる面も大きい。

◆不当解雇が認められた場合、企業は以下の責任を負うリスクがある。

解雇無効の確認訴訟:解雇が無効とされ、労働者の職場復帰が認められる
賃金支払い命令:解雇期間中の賃金を遡って支払う義務が発生する
損害賠償請求:精神的苦痛などに対する慰謝料が発生するケースもある
社会的信用の低下:労基署からの是正勧告が公表され、企業の社会的信用が棄損する