◆RPAとは、定型業務やルーチン作業を自動化する技術である。人間がPC上で行う操作を模倣する形で、反復マニュアル作業をソフトウェア上のロボットが代行し、業務効率を大幅に向上させることを目的としている。
◆RPAを導入することで、対象業務の大幅な生産性向上、人的ミスの削減、コスト削減、人的リソースの効率配分、時間短縮: 24時間365日稼働による納期短縮などの効果を見込める。
◆RPAを導入するメリットの大きい企業には以下のような特徴がある。
・繰り返しのルーチンワークやデータ入力作業が多い
・部署ごとに構築されたシステム間のデータ連携を手作業(データバケツリレー)をしている
・手作業のミスが重大な問題を起こしている
・単純作業要員の人材確保がスケールアップの障害になっている
◆RPAを導入しない方がよい企業は以下のような特徴がある。
・業務内容が頻繁に変更されてルーチンワークがほとんどない
・手動作業がそもそも少ない
・高度な判断業務が大半を占める
・人間同士の接点自体が顧客価値になっている
◆代表的なRPAツールには、以下のものが挙げられる。
・UiPath: 操作の容易さと柔軟性に優れ、ローコードで自動化可能。
・Automation Anywhere: 高度な分析やAIを組み込んだ自動化が可能。クラウド利用も。
・Blue Prism: セキュリティとガバナンスが強化されたRPAソリューション。
【Plus】M&A売主がRPAを活用することで、業務効率化によるコスト削減と利益率向上を図ることができる。特にバックオフィス業務やデータ処理などの自動化において効果的である。同時に業務標準化やデータ精緻化も進めやすくなり、M&A買主の安心感が向上する。
【Plus】M&A売主は、RPAの導入状況や運用実績、ROI(投資利益率)について詳細に開示すべきである。特に、特定の業務プロセスがRPAに依存している場合、その依存度やメンテナンス体制も明確にすべきである。多少の問題発生は不可避であるため、下手に隠蔽するより、対策とセットで開示した方が印象が良くなる。
【Plus】RPAを導入している企業を買収するM&A買主にとってのメリットは、業務の効率化と生産性の向上への意識が高く、M&A買主企業の効率化策もスムーズに吸収できる可能性が高いことである。