◆未消化の有給休暇とは、与えられた年次有給休暇のうち、従業員が消化せず残している日数を指す。有給休暇は、一定の条件(入社後6か月、労働日の8割以上勤務)を充足する従業員に対して企業が付与する義務を持つ。
◆企業には休ませる義務はあるが、有休買取りの義務はない。なんらかの理由で従業員が有休をすべて消化せず残した場合、繰り越すことができるが、2年の時効で消滅する。原則として企業が未消化有休を買い取ることは禁止されているが、退職時等には例外的に可能とされている。
【Plus】M&Aでマイナス評価されないためのポイント
定期的な消化促進の実施:企業としては計画的な取得を指導するなどによるトラブル予防が賢明である。いずれにしても従業員の会社への信頼は企業価値を高める(=会社を高く売る)ために不可欠であるため、従業員満足度調査などを実施し、有能人材の離職原因となっていないか定期的に確認すべき。
有給休暇の管理体制の整備:有給休暇の消化状況に関する情報管理体制を整備する。例えば、全従業員の消化状況を定期的にチェックし、未消化有休の対応(会社責任/従業員責任)を明確に決め、従業員と共有しておく。透明性を高めておくことで従業員の信頼とともに買主の信頼をも獲得できる。