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バックオフィスを軽視していた

2024/12/13

クライアント様の声

バックオフィスを軽視していた

会社を売却するにあたり明確な目標金額を設定し、多数のFAに同時並行的に売却支援の依頼をした。

日本企業の目ぼしい買主候補は当たり尽くし、目標達成は厳しいと思ったので、SCAにも付き合いがあったので声をかけた。

「それならクロスボーダーに限定して動きましょう。」「純粋な売却支援のみ。時間もないし企業価値向上コンサルはない形で。」という形でSCAにも依頼することになった。

SCAは、一週間もしないうちに複数言語のIMを準備してくれた。M&A業界との付き合いは長いが驚愕のスピードとクオリティだった。何日連続で徹夜したのかわからない。外資系投資銀行でもこんなに早く作ってこない。

雇われ経営者が強く期待する外国の買主候補が見つかった。目標金額を大幅に超過する価格を提示したにもかかわらず、である。SCAはクロスボーダーM&Aならではのシナジー戦略を考案し、その外国企業に提案してくれたのが効果的だったようだ。数十億円規模のシナジー効果を、根拠となるデータや具体的なアクションプランとセットで提案してくれたので、外国企業のトップも垂涎の投資案件に映ったのであろう。

しかし、その外国企業は、その国で上場しており、国際会計基準に準拠した監査を突破する必要があった。しかし、売却対象企業はいわゆる「日本の未上場企業の経営管理体制」のまま放置しており、バックオフィスの精度が高度とは言えない状況だった。雇われ経営者がバックオフィス高度化に真っ向から反対していたのが原因だ。売上にならないコストは無駄と思っている人間を経営者として置き続けたのが最大の失敗原因と振り返っている。

それでもSCAは諦めず、買主CFOの要求レベルを突破するため、さまざまな専門的な支援をしてくれた。財務やITの専門スキルも優れている。

しかし、結果、外国企業のトップは乗り気だったのに、最高財務責任者が大反対に回り、大幅な減額提案をされてしまった。買い手企業の雇われCFOが面倒なだけのM&Aを反対したがるのはどの国でも同じだ。トップがCFOの主張を握りつぶせる状況なら突破できるが、そうでなければCFOの主張が通ってしまう。買い手企業はそういう会社だった。対象企業もそういう状況だった。

せめてCFOの主張を退けられる程度にバックオフィスを改善しておけば、と心底後悔した。様々な国の企業に工夫して提案してくれたのに、結果を出せない状況になってしまい、色々と後悔が残る案件となった。クロスボーダーM&Aは可能性がある。しかしリスクも高い。それを突破するには、世界基準で基礎を構築しておく必要性を感じた。

SCAの言葉が耳に残る。最初にSCAに相談しておけばよかった。

「経営者としての売上はPLの売上で、コストはPLのコスト。」
「オーナーとしての売上は株式売却代金、コストはステークホルダーへの情報開示の仕組み構築費用。」
「経営者コストしか見てないからオーナー売上を失った、という典型です。」
「SCAの企業価値向上コンサルとは、オーナー売上最大化のための最少コストのつもりなんです。」