「無理に決まってる」と即ツッコみされそうなことを、常時目標に掲げてないと、生きてる気がしない、ドーパミン中毒のSCA稲村です。久方ぶりにゴルフにチャレンジすることにしまして、その際思いついたことを書き連ねてみました。
僕の今の目標の1つは、現役ボクシング世界チャンピオンとガチスパーして、過去の記録に1発上乗せのクリーンヒット7発、です。
激務と言われるM&A助言の仕事に、さらに激務度アップで仕立て直したSCA流M&A助言は、本当に体力を消耗させてくれます。
体力の維持・増強のため、心身リフレッシュのため、30年以上続けているボクシングのトレーニングはこれからも継続するつもりですが、 僕もアラフィフになり、長年自らに課してきた「パワーパンチ中心のバッグ打ち10ラウンド(ほぼ無酸素運動を計30分)をできたら週1回」というノルマはそろそろきつくなってきたので、 そこまできつくない運動習慣を組み合わせ、どうせなら、らしくない事をやってみると、想定外のシナプス結合が発生しないかな、という期待もあり、 過去2回挫折したゴルフに再々挑戦することにしました。
ちなみに、パワーパンチ中心のバッグ打ちは、1ラウンド3分=180秒だけでも、猛スピードで体力を消費します。
人間はそもそも一般スポーツマンで20~30秒くらい、最高レベルのアスリートでも40秒程度しか無酸素運動を継続できないようです。
一流選手なら一息で走破可能な400m走が、無酸素運動の限界らしく、その世界最速レコードは43秒くらいです。
ボクシングの本気トレーニングを終えると、ストレス、雑念、過剰な欲望や恐怖といった余計なものを全てを洗い流してくれる気がします。
SCA設立後、走り続けて気づけば約7年が経過しました。
続けられているのは、この体力維持の仕組みがミソとなってます。
これからは、ボクシング+ゴルフで、なんとか回していきたいと思ってます。
ところで、やらないこと、を決めて、徹底してやらない、というのは、ビジネス成功の鉄則の一つです。
その代わり、得意なこと、夢中になれることに集中し、まずそれを伸ばす、のもビジネス成功の鉄則です。
全体のまとまりは、後から調整すればよいわけです。
ゴルフも人間の営みなので、同じだろうと考えました。
僕は、まず「過去挫折した原因と認められるゴルフ要素は、自分にとって不得意、関心の薄いことだから、当分は気にせず、やらない」と決めよう、 「チャレンジングだけど実現可能な楽しいゴール」を設定し、「気づいたらゴールが近づく、ドーパミンが出る仕組み」を作るべき、と考えました。
また、当然、仕事優先ですので、できても月に1~2回、短時間でできる範囲、という制約条件が付きます。
過去ゴルフに挫折した状況を振り返り、常識にとらわれずバッサリと「これはやらない事」と決め、 「ゴルフが楽しい、続けたい」と思える要素を特定し「まず達成すべき目標(マイルストーン)」を設定しようと考えたわけです。
ゴルフで好スコアを狙うには、正確性や安定性が重要なのだと思います。
つまり、ショートアイアンとパターが大事で、ロングドライブはスコアメイキングにとってさほどの価値はありません。
しかし、振り返ると、僕は、ショートアイアンとパターは偶然うまくいっても関心が薄く、ドライバーが偶然芯を食ってスコーンと飛ぶと楽しいと感じることに気づきました。
僕がゴルフをする目的は、コンペで好順位を得ることではないので、好スコアを目指すこと自体をバッサリ捨てることにしました。
それに従って、小さな調整や反復練習を必要とするショートアイアンとパターの練習もバッサリ捨てることに成功しました。
その代わり、まずドライバーだけに集中しようと考え、マイルストーンを「レンジボールで300y飛ばす」と設定したのです。
正確性や安定性は、本質的なメカニズムをザックリ理解し、無意識レベルで意識しておけば、後でまとまり調整すれば大丈夫なはず、という大雑把な作戦です。
僕の場合、今まで色々なジャンルにチャレンジし、それなりの成果を出してきた自負がありますが、だいたいこの作戦でうまくいってます。
しかし、10年ぶりくらいのゴルフ練習場でドライバーを思い切り振り回してみても、計測結果は220yくらい、 目標(300y)とのギャップは気が遠くなるくらいです。
僕は、見た目の問題に着目し、対症療法を積み重ねる、というツギハギ式の改善手法を好まない性格です。
ゴールと現状とのギャップを生む本質的な原因を探り、そのメカニズムを理解した上で、即実践、即改善、が最短かつ最良と信じています。
つまり、改善するための努力は必要でしょうが、無駄な努力を押し付けられるのは我慢できないので続かない、続かないと力はつかない、という普遍的な真理を重視する立場をとっています。
シャフトの長さ、硬さ、ヘッドの形状と質量の分布、人間の骨と筋肉の構造などが、ゴールと現状のギャップを生む本質的な原因を概ね支配しているはずです。
ゴルフの飛距離というのも、物理学の運動方程式の枠の中でしょうから、 質量(ヘッドの重さ)は所与で固定なわけで、結局、インパクト時のクラブのスピードが最重要ファクターなはずです。
最近はユーチューブで何でも勉強できます。
ドラコン王のチャンネル等で、どうすればクラブのスピードを上げることができるのか、を勉強しました。
また、プロゴルファーの収入分布、業態や水準等を調べてみると、大半を占めるレッスンプロは、長く続けてもらうお得意さんを確保したいインセンティブが強そうなので、 ワンポイントレッスンは本質的課題と解決策には触れてくれそうもない、レッスンプロを通じた情報収集はギャンブル性が強い判断して、避けました。
その点、ユーチューバーのプロゴルファーは、視聴数(=広告収入)がインセンティブなので、レッスンプロよりも一般に信頼できる、ユーザーとの利益相反が少ない、本当にためになる情報を提供してくれる可能性が高い、と思ったのです。
どうやらクラブのスピードを速くするには、
1.腰、肩、腕、肩甲骨まわりの柔軟性を高め、大きな捻転で力を溜め、切り離し(腰を逆回転)する(助走にあたる)、
2.ヘッドをインパクト直前で最大加速させる(走らせる)ために、クラブが腕の動きを追い越すように、ダウンスイングの途中で腕の動きを止めるイメージ、
3.インパクトの際、重たい人間頭部とクラブヘッドが引っ張り合う力(作用反作用)で加速させるので、大きな筋肉である背筋を使う、そのため左足で壁を作り、左腰を引く(回転させる)、
の3つに分けて強化・融合させればよい、と最初の目標を設定しました。
1.柔軟性
なるほど、僕は体が硬い。
長期間の長時間デスクワークによって、巻き肩、猫背の傾向も強い。
ボクシングは、巻き肩、猫背でも問題が起きにくいので、全然気づいてませんでした。
パンチ力は、体の硬さが有利になる面もあるので、気にしてこなかったこと、ストレッチの重要性に気づかせてもらいました。
整骨院に通ったところ、あちこちボロボロになっていて、首の骨や骨盤もズレていたり、肩もおかしくなっていたことが発見できました。
酷い恰好でオフィスで睡眠をとることも多いので、首の骨はこれが原因でしょう。
少し通ったら問題なくなりました。大事に至る前に気づいてよかったです。
ゴルフを再開したことで、想定外のラッキーに出会うことができました。
2.ヘッド走らせる
これはボクシングにも、M&Aにも相通ずるもので、面白いな、と思いました。
ヌンチャクのような動きを腕とクラブで表現する、「レバレッジ」と言い換えることができるかもしれません。
ボクシングにおけるパンチ力も、インパクト時の加速が左右するので、強いパンチを打つには、インパクト直前に、前腕部分(肘から拳)が最大加速するように打ちます。
腰、肩、肘、手首と、インパクトの瞬間にレバレッジ的な動きを入れることで、加速し、衝撃を大きくすることができるわけです。
ボクシングは人体のみですが、ゴルフは、えもの(クラブ)があります。
「クラブと腕の集合」を、「超長い腕」と見方を変換してみると本質を理解しやすくなると思ったのです。
つまり、クラブが前腕、腕が上腕、と見立てれば、グリップを持つ手は肘(関節)に相当します。
ゴルフで飛距離を出す、と、ボクシングで強いパンチを打つ、は実は同じメカニズムなんだと気づきました。
テニスとラケットの動きにも似てますし、野球のバッティングやピッチャーの動きにも相通ずるものがあると思います。
M&Aでも、レバレッジというのは使い方次第で絶大な効果を生みますね。
LBOという金融技術だけでなく、事業の中身においてもレバレッジを効かすことで伸ばせる領域は少なくありません。
3.引っ張る力
ボクシングの右ストレートや右アッパーを打つ際の腰の動きと相通ずるものがあるので、脳で理解さえできれば、体は勝手に動きました。
引っ張ると、アドレス時から距離や角度がズレるはずなのに、なぜかちゃんとボールにあたります。これが不思議で仕方なく、色々ネットで調べてみました。
腕と手の操作でヘッドの位置や向きを無理やり調整するのではなく、ヘッドの重さを利用して遠心力で外に向かわせるようなスイングとグリップによって、自動的にフェースがボールと直角で当たるというのが、理想のようですね。
だから、遠心力が利きやすいシャローなスイングが流行しているということも理解しました。
理解しての無意識ほどよい、というのもビジネス成功の秘訣と相通ずるな、と思った次第です。
月に一度の打ちっぱなし練習場でのトレーニングを約10か月継続し、 ようやくレンジボールで270yくらい出るようになりましたが、柔軟性に伸びしろが大きそうなので、今はオフィスでもストレッチに励んでいます。仕事で凝り固まった体をときどきストレッチすると気分転換になって、アイデアも生まれやすくなります。もしかすると、このストレッチ習慣が、ゴルフを再開したことで得られた最大の収穫かもしれません。
ヘッドスピードはようやく50m/s程度なので、55m/sを目指します。
そういえば、少し脱線しますが、こんな話も。
ゴルフを再開したといっても、スコアを気にせずロングドライブだけ気にすることに決めた以上、通うのはコースではなく練習場ばかりです。
僕が通うゴルフ練習場の近くで、猛烈に美味しい焼肉屋を見つけました。
今まで100店以上の焼肉屋を渡り歩いてきた肉好きの僕にとって、生涯No1の評価を与えてあげてよいお店です。
疑心暗鬼ながらもゴルフを再開してみなかったら、こういうラッキーも手に入らなかったでしょう。
有名なアノマリーに、人間は悲観的に物事を考えすぎる、というのがありますが、そもそも、偶然想定外に良いことが起きる確率と、偶然想定外に悪いことが起きる確率は、同じはずです。
悪いことは、スモールテストと事前の対策によって、ある程度管理下に置けるはずなので、想定外に良いことが起きるチャンスを見逃す方がもったいないですから、とりあえず、小さく、速く、試してみる、のが大事なのだと、その焼肉屋が改めて教えてくれました。
一つのことを考え抜きながら、何年、何十年と長期間継続すると、様々な気づきを得られますが、その上で、少し横に動き、また考えると、知の新結合が発生します。
スポーツでも、人材の能力開発でも、商品開発でも、マーケティングでも、ITシステム開発でも、M&Aでも、同じだな、と気づいた今日この頃です。