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DDサービスを提供するFA/M&A仲介とは?

2020/5/24

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DDサービスを提供するFA/M&A仲介とは?

M&A関連サービスのおさらい

M&A関連のサービスには、次のようなものがあります。簡単におさらいしてみましょう。

■ FA又はM&A仲介:バイサイド探しや交渉支援をします。M&Aディールのプロモーターのような立場です。

■ バリュエーション:独立の立場からターゲット企業の株式価値評価をします。

■ デューディリジェンス(DD又は企業精査):ターゲット企業に眠る各種の問題点等を精査・発見・整理します。

これらのサービスは、基本的に、別々の法人が受け持つことになります。なぜかというと、各者の立場(ポジション)の違いが、客観性や公正性を妨げるリスクがあるからです。

守りのDDと攻めのDD

特に、DDは、バイサイド(買い手)が負う受託者責任(株主の財産を棄損しないよう注意する取締役の義務やスポンサーの拠出資金を棄損しないように注意する投資ファンドの義務)を全うするために、バイサイドが費用を負担して、バイサイドの損害回避を主目的として実施する「バイサイドDD」が圧倒的に有名です。

通常、DDと言えば暗黙のうちに「バイサイドDD」のことを指します。こちらは、絶対に、利害関係が排除された独立第三者のDDベンダー(会計事務所、弁護士事務所、経営コンサルティング会社等)が実施する必要性が高いと言えます。このように、バイサイドDDは、絶対に「守りのDD」です。会計、税務、法務等、それぞれに数百万円以上のDDコストがかかり、合計1000万円以上のDDコストが発生し、すべてバイサイドが負担します(買収コストの一部を構成し、セルサイドに支払う株式対価等を減少させる効果があるので、実質的にセルサイドが負担しているとも言うことができます。)

もう1つ、「セルサイドDD」というものがあります。こちらはあまり有名ではありません。しかし、外資系投資銀行が関与する大型M&A案件では、頻繁に「セルサイドDD」が実施され「売る前の準備、より高く確実に売るためのM&A戦略の立案」に利用されます。こちらは、セルサイドからバイサイドに開示する資料の内容をより正確なものとし、ターゲット企業のポテンシャルや魅力を余すところなく伝え、事前の治癒欠陥や改善余地の実現等に利用することができますので、「攻めのDD」と言えるでしょう。このDDコストはセルサイドが負担します。しかし、売却額の大幅アップ、バイサイドDDコストの削減等を通じ、目先のコストは生じるものの、全体で見ると費用対効果の高い投資のようなものと言えるでしょう。

ちなみに、弊社は国内初の「セルサイド特化型FAサービス」を提供していますが、代表が運営する公認会計士事務所を通じ「セルサイドバリュエーション」や「セルサイドDD」といったサービスを、セルサイド向けに提供するケースがあります。もちろん、「バイサイドDD」ではないので、前述の受託者責任の観点からの独立第三者性は問題は生じません。バイサイドが独立第三者のDDベンダーを雇って、詳細に検証するからです。

ただし、どんなM&A業者でもDDサービスを実施してよいというわけではありません。これを正確に理解しておかないと、大きな損失が生じるリスクがありますので、具体的に説明します。

DDサービスを提供するセルサイドFA

片手報酬のセルサイドFAがセルサイドオーナーが高く売るためのサポートとして、専門家等を通じ、事前に要改善点等を客観的に把握するためにする「セルサイドDD」は、外資系投資銀行等が通常行う「高く確実に売る」ための工夫の1つです。この場合「セルサイドDD」と別に「バイサイドDD」が実施されますが、これが効率的に実施できる利点もあります。また、セルサイドFAが、バイサイドを探したり交渉を始める前に、ターゲット企業の詳細を把握しておくことは極めて有意義であり、高値売却を目指すのであれば、ぜひ検討すべき手続きでしょう。

例えば弊社の場合(高値売却可能性に係る事前審査をクリアいただく必要がありますが)通常着手金に僅少額の料金(合計で200-300万円、月額制でもOK)をプラスするだけで、通常、セルサイドDDの結果として発見された改善実行や血管治癒によって億円単位の売却額の向上が見込め、費用対効果は絶大です。

DDサービスを提供する両手M&A仲介

一方、両手報酬のM&A仲介会社で、M&A仲介業務をセルサイドとバイサイドの双方に提供するのと同時に、DD業務(バイサイドDD)も同時提供するケースがまれに確認できます。これは、コンフリクト(利益相反)のリスクが高く、バイサイドにとってはメリットが大きいものの、セルサイドにとってはデメリットしかないと思いますので、そもそもコンフリクトが内包された両手M&A仲介を利用する際、DD業務の提供を打診されたとしても、「面倒だから」「無料だから」という誘惑に負け、受け入れない方が無難です。「バイサイドDD」は、独立した外部第三者が実施しなければ、セルサイドにとっても、バイサイドにとっても無益な作業に終わるリスクがあり、儲かるのは両手M&A仲介だけという結末になりがちです。または、両手M&A仲介のリピート客であるバイサイドの利益(=セルサイドの一方的損失)に直結するリスクが高いからです。

なぜ、弊社はセルサイドDDを超廉価で提供するのか?

通常、セルサイドDDは、外資系投資銀行がセルサイドFAを受託するような大型M&A案件で、大手グローバル会計事務所や弁護士事務所等をDDベンダーとして実施します。

しかし、弊社は「中堅中小企業においても、セルサイドDDの必要性を強く認識しており、むしろ大型M&A案件以上に、セルサイドにとって有益なサービスである」と信じています。

というのも、中堅・中小企業がターゲット企業(売り手企業)であるケースでは、「オーナー社長が、自分で経営している会社の状態を、客観的に、合理的に定量的にアピールしたり、欠陥や改善余地を、売却活動を始める前に、把握できているケースは非常に少ないため、それらを外部第三者であるセルサイドFAである弊社が代わりに深堀りして詳細把握しておくことは、最終的に高値売却というセルサイドの目的を達成する近道になるから」です。「急がば回れ」の精神に通じます。「安・近・短」が好みのセルサイドは気にしないでください。「高」を目指すセルサイドのみ気にしていただければ結構です。

弊社の場合、セルサイドDDのサービスを、外部第三者に委託したら、合計1000万円以上のコストになるところ、非常に廉価なコスト(内容によりますが、通常1/5以下、しかも着手金に含めます。)で受託します。

このステップを経ると、ティーザーIM(インフォメーションメモランダム)のクオリティが格段にアップするので、いざ、バイサイド(買い手)を選定し、実際に打診し、具体的に交渉するときに、「セルサイドに有利な状況」を作りやすくなります。

数回会って、数十問の質問に回答したとして、FA(またはM&A仲介会社)がターゲット企業の現状とポテンシャルについて、どこまで正確に、深く理解できるか想像してみてください。「安値売却」が乱造されセルサイドが大損をし、「安くても失敗買収」が増えバイサイドも損を被るのは、このような仕組みです。「高値売却を目指せるユニークな強みを持つターゲット企業ほど、その将来の可能性とリスクは、瞬時に把握できる単純な構造ではなく、実に複雑な構造にある」「その複雑な構造から情報を取捨選択し簡単に理解してもらえるM&A売却成功ストーリーを練り上げることは簡単にはできない」のです。

だから、弊社は中堅中小専門、セルサイド特化型FAでありつつ、セルサイドDDサービスを提供しています。セルサイドが本来享受すべき創業者利潤を実現するために有益なサービスです。

弊社は、セルサイドFAであるため、高値売却が成功すれば、売却額に連動して成功報酬が増える立場(ポジション)にいるため、後払い的かつ極めて安い費用でセルサイド・DDのサービスを、セルサイドに対し提供することが可能なのです。

さて、気になるバイサイドからの評価ですが、セルサイドDDを通じ、具体的な事実(ファクト)と論理(ロジック)を網羅して説明できるようになりますので、バイサイドDDもはるかに効率的かつ効果的に実施でき、「誠実で能力の高いバイサイドほど、弊社のセルサイド・バリュエーションやセルサイド・DDは好評」です。