Knowledge

山頂への道標

TOP

→

山頂への道標

→

2022年が始まりました!

2022/1/1

代表ブログ~M&A徒然草~

2022年が始まりました!

政治
2021年、菅政権は短命に終わり岸田政権が発足しました。
親中だからか知りませんが、共産主義を新しい資本主義と呼んでいるかのような、改革後退、分配重視の姿勢です。
ほんの数カ月ではありますが、みんなの声を聴く岸田政権は、政策に特色も見られず、決断力も乏しいように見えてしまいます。
生産性向上によって人口減をカバーする、生産性向上のための成長戦略が重要、ただ分配強化を企業に促しても米櫃の米が減るだけなので、はたしてどれだけの効果を出せますやら。
ただし、岸田総理は、何を発言するにもガード文言を忘れないタイプのようです。昔、田中真紀子氏は「冷凍の透明人間」と揶揄していたらしいです。うっかり失言をするタイプに見えませんので、それなりの長期政権になってしまうシナリオも想定しておくべきでしょう。


コロナ禍
ようやく落ち着きそう、という流れの中、2021年の終わりごろに登場したオミクロン株が、感染力が強いという特徴により警戒されています。
ウイルスも生命体であって、DNAに生存優先指令がドシっと構えられているとすれば、感染力と毒性がともに高くなるとホストである人間が死に過ぎてしまい、ウイルスも短命に終わるので、感染力強化とともに弱毒化が進んでいるのでは、と個人的には楽観的に捉えています。
今回のコロナ禍は、日本のマスコミ、政治などに潜んでいた問題を詳らかにした点で一定の功績を認められると思います。
実は医療機関の安定を守るためだけの過剰な行動制限を、拍手喝さいで評価する大衆、恐怖を煽るマスコミ、そこに乗っかる政治家、と辟易とした時を過ごした方は僕だけではないと思います。
しかし、僕は、マスコミや政治家は合理的行動をとっているに過ぎない、と考えるべきと思っています。
つまり、マスコミや政治家は、視聴率や票を集めてナンボですし、過半を占める大衆が合理的思考、リスクとリターンのバランス重視に転換し、安易な二元論に騙されない知性を具備しない限り、煽り報道や過剰な行動制限はずっと続くのでしょう。
2022年、また変異株が登場するかもしれません。なぜか日本人は重症者・死者が非常に少なく、インフルエンザ減や引きこもりによる交通事故死減、リモートワークによる若い男女の職場の出会い減など、総合的に各種指標を考慮に入れれば、コロナ対策のし過ぎで人口減をさらにスピードアップさせてしまったきらいもあります。
欧米人の方が、DNAの問題なのか、行動習慣の問題なのか、感染や発症に敏感なようですから、グローバル化の進んだ現代、海外の供給力や需要の減少を通じ、一部で過剰なインフレ等のマイナス影響は続くと考えるべきでしょう。
ところで、マスコミや政治の動きは個人や一企業としては、管理不能な領域(アンコトローラブル)です。
ピンチが致命傷になってしまった不運な会社も、ピンチがチャンスに様変わりした不幸中の幸いな会社もいるでしょう。
M&A会社売却を検討中のオーナーの方々は、そういう前提条件の下で、管理可能な領域でベストを尽くすしかないと思います。


国際情勢
やはり気になるのは、米中関係、日中関係ですね。
台湾はどうなるのか、日本の防衛はどうするのか。
中国が欧米先進国や日本にとって許容しがたい動きを見せた場合、米国はどういうカードを切るのでしょう。
習中国はさらに5年の時間を確保しました。三国志の中国、一党独裁の中国は、十年単位の時間をかけてじっくり周辺から崩すことも選べる策士国家でもあります。
しかし、中国は、猛烈なスピードで起きる高齢化と年金問題という爆弾を抱えてます。共産党が唯一恐れるのが民衆蜂起ですが、急成長企業から無理やり原資を奪い取る手段は持続可能なのか。
対して米国は、中間選挙も含めると2年単位で成果がほしい忙しい国です。
さて、短期決戦なのか、長期決戦なのか、軍事対決なのか、経済制裁なのか、仲間をどこまで集めるのか。 親中岸田首相はどう動くのか、動かないのか。


経営戦略
ピンチはチャンスと捉え、こういう時だからこそ、できることを一気にやる会社と、 ピンチに対して後手後手に回り、徐々に衰弱していく会社は、数年後に驚くべき差が生じていると思います。
特に、中堅中小企業は、どうしても目先の売上に目が向きがちです。
可能な範囲で、攻めの姿勢を持つ、攻めの姿勢を持てないならその原因を探して痛くてもメスを入れる、これが大事ですし、こういう時だからできることでもあります。
なにもしなくてもピンチがチャンスになってしまった会社の場合、このピンチがなくなった後への備えを考えておく時期になっています。
せっかく増えた売上や利益もコロナが終わったら元通り、と外部から見えてしまったら元も子もありません。余ったキャッシュは、よく考え抜いた上で、成長のための投資に使うべきです。
M&Aをするから、今後の成長のことを考える必要がない、と考える方もいると思いますが、M&Aをするからこそ、外部からの評価次第で別世界が待っているからこそ、今やるべきなのです。M&Aは成約するまで相手が決まりませんから、何を、いつ、どうやってやるのかは、ビジネスとM&Aの両方に精通したプロフェッショナルと相談しながら決めると、蛇足な投資を避けられるでしょう。


金融市場
金融市場はもっともグローバル化が進んいる市場です。もっともキャッシュが集まる米国金融市場がどうなっているのか、どうなるのか、は、巡り巡って自分の今後に作用しますので、とても大事です。
大企業の経営者でなくとも、中堅中小企業の経営者だからこそ、気にしましょう。大企業なら誰かが騒いでくれますが、気にする人が社長しかいないのが中堅中小企業ですので。気に入ったストラテジストがいる証券会社のホームページ上の無料レポートを月に1回読んで、ちょっと考えてみる、これだけでも違いますよ。
上場株の相場は、EPSとPERに分解して考えるのがベーシックな考え方です。1株当たり純利益(Earnings Per Share)と株価純利益倍率(Price Earnings Ratio)です。
2021年末、FRBはコロナ禍対策として異次元クラスで拡大し続けた、金融緩和の出口戦略を発表しました。
S&P500やNYダウなどの米株式は、コロナ禍であるにもかからわず史上最高値を突破しました。
市場の現状を解釈し、今後の予想を公表する証券会社は、中抜き業者であって、対象資産が膨れている方が儲けやすいポジションにいます。そのため、概ね常に楽観予想に偏りがちですから、ストライクド真ん中はやや悲観よりに修正する必要があるとも言えるでしょう。
その証券会社の現状の解釈と今後の予想では、2020年の反動で躍動したEPSが、2022年も同じようなペースで拡大し、利上げによるPERへの影響があるとしても限定的、現在の史上最高値は正当化でき(バブルではない)、さらに1割近く株価が上昇すると予想するのが合理的のことです。
もしも、EPS予想が楽観に過ぎ、実は、主に、マネー供給が増えたおかげ、EPSに掛け算するPER(マルチプル)が上がっただけ、上がるから買うしかないという行動が積み重なっただけ、と、いうことであれば、「色々理屈をつけてましたが実は単なるバブルでした」ということで、デジャブです。
もう少し悲観寄りに調整し、じっくり腰を据え気味に構えておいて、丁度よい気がします。
無論、マルチプル上昇による株価上昇は、100%持続不可能ですので、2022年あたりでの株価急落リスクも囁かれてきました。 NYダウが下がる、日本アロケーションを下げる、日経平均も下がる、類似上場会社の株価や倍率も下がる、類似会社比準法などの評価額も下がる、と連鎖評価減が怖いところです。
しかし、パウエル議長は出口の初動をうまくやってくれました。だいたいの時期と回数と上げ幅をズバっと宣言したことで、市場に安心感が芽生えたのでしょう。
とはいえ、油断は禁物です。
米国で進んでいるインフレが適度な水準に収束するのか。コロナ禍は、ワクチン予防+自宅用飲み薬+重症者用特効薬ができれば終了ですが、変異があれば別ですし、こういうタイミングだからこそ、水面下で控えているリスクが発動するかもしれません。
コロナ禍によって大ダメージを受けた企業を支えるため、銀行は目をつぶって貸出を増やしました。これが、これからどうなるのか、日本だけの話ではありません。
海外金融市場が不安定になることを通じ、日本も不況に陥ったケースはいくらでもあります。
しかし、個人的には、大崩れはせず調整が続くシナリオが一番匂う、と思ってます。


つまり、2022年は「バランス感覚を問われる年」」と予想します(毎年そう?)。


ユニーク中小M&A市場
大企業M&A、クロスボーダーM&Aは、ビジネス環境が落ち着き、金融引き締めの動きが具体化されるにつれ、リスクマネーの収縮とともに動きが緩慢になることが予想されます。

一方で、日本における中小から零細M&A市場は、リスク行動が抑制される流れが終焉して積極投資の動きが再開し、慌てて売却に走るオーナーが減らない限り、ハゲタカモード、手抜き大量処理が継続する可能性がありますので、時間的余裕があるのであれば、売り急ぎは禁物です。
ファイヤーセールの地合いは、買い手(バイヤー)からすれば、絶好の仕込みチャンスですが、売り手(セラー)からすれば、最悪のタイミングです。
特にユニークな強みのある会社を売るのであれば、冷静にM&A市場を分析し、不利でないことを確認した上で動きだすとよいでしょう。
もちろん、今だから有利、今のうちに売るべき、という判断もありえますので。


2022年に入り、買主サイドも将来予測に自信を持ち、落ち着いた検討をしやすくなって、 ユニークな強みをもつ中堅中小企業を売却する環境は、良くなっていくと思ってます。

業績向上期待満載のときが本当の売り時です。そういう仕込みをやりやすいタイミングな気がしてなりません。

チャンスはある、絶好のチャンス到来かもしれない、でもバランス感覚は忘れずに、がオススメの重心のかけ方です。