弊社SCAは、(おそらく日本で唯一の)①クライアントファーストの完全独立系、②技術と経験を蓄積できるセルサイド(売り手支援)特化型、かつ、③利益相反リスクを排除できる片手報酬のM&A助言会社FA:(Financial Adviser)です。セルサイドのクライアント様がM&A会社売却を実行する上で、破談回避、安値回避、そして高値追求を徹底的に支援することに集中しているM&A助言会社という点が特徴です。
ところで、セルサイドオーナーは、M&A初心者であるケースがほとんどです。そして、M&A業者を選ぶことが初めてであることもほとんどです。
昨今の団塊の世代の引退に伴うM&Aによる会社売却ニーズの急増に伴い、多くの新規参入者がM&A市場に参入してきました。需要急増時の必然ですが、問題は新規参入者の質です。なかには、セルサイドが当然期待する役割の大半についてサポートできない業者や、情報管理が甘く機密情報漏洩の懸念を感じさせる業者、サラリーマン心理で次回のボーナスのことしか頭にない業者も増えているように思えます。さらに、着手金無料を詠う業者の中には、着手金無料というメリットの代わりにアンフェアな業務委託契約を強いてくるケースもあるようです。
そのためか、セルサイドオーナー様より『すでに別のM&A業者と業務委託契約を締結してしまったが、不安になってきたのでSCAに交代してもらいたい。』というお問合せをいただくことがしばしばあります。
今回、M&Aアドバイザーを交代させる際の留意点を整理してみましたので、交代を希望されるセルサイドオーナー様におかれましては、下記をご確認いただいた上で、弊社に依頼するかどうかをご検討いただきたいと思います。結論として、途中交代は可能な場合が多いものの、締結している業務委託契約に悪質な交代禁止条項が入っている場合など、交代に大きな制約がかかるケースもあるため、状況に応じて慎重にご検討いただく必要がある点をご理解ください。
業務委託契約の内容:
既に契約しているM&A助言会社との業務委託契約の内容をチェックしてください。
・ 委託業務内容(単なる相手探しのみか、広範囲なサポートを含むものか)
・ 着手金等(着手金等に見合う具体的な業務実態は存在するか、逆に既に提供された業務に対し適正な着手金を支払っているか)
・ 成功報酬(成功報酬の発生条件、計算方法はどのようになっているか)
・ 両手報酬(両手業者であるM&A仲介のケースのみ)バイサイドからも報酬を受領できる場合、バイサイド候補の誰から、どういう名目で、いくらの報酬を受領してきたかを把握できているか
・ 契約解除時の成功報酬発生条件(重要な貢献の有無に関わらず、解除後長期間にわたり、ほぼ全てのバイサイド候補との間で成約されれば、成功報酬全額を支払う義務があるかのような内容となっていないか)
・ 契約解除の覚書等(成功報酬の支払を全免除、もしくは今までの具体的貢献に応じた費用支払いで確定)を締結できるかどうか
・ 機密保持義務(セルサイドもM&Aを検討している事実を別のM&Aアドバイザー候補に伝達すると義務違反となる内容となっているか)
・ 違約金条項(どのような内容になっているか)
バイサイド候補からの見え方:
別のM&A助言会社が同一のバイサイド候補に同一のターゲット企業に関するM&Aを提案する場合であっても、提案相手がライトパーソンかどうかで判断が大きく変わる可能性がありますし、提案内容がバイサイドのニーズにフィットしていて、説得力のあるものになれば判断が大きく変わる可能性もあります。
しかし、すでに提案内容を非ライトパーソンに提案してしまっている場合には、そのバイサイド候補の社内における交通整理が必要になるケースもあるでしょう。バイサイドにどのような提案をしていて、どのような評価となっているのか、現在進行している状況をできるだけ正確に把握すべきです。解除する前に、詳細に報告を受けましょう。
バイサイド候補からすると、M&A案件が出回り案件で情報漏洩による企業価値棄損リスクのある案件は避けたいのが本音でしょう。そのため、同一のバイサイド候補に再度提案すべき状況なのであれば、バイサイド候補に出回り案件ではないと理解してもらうべきです。解除する前に、詳細に報告を受けましょう。特に、別の仲介会社等を通じてバラマキ提案をしていないか、万が一しているとすればどの範囲かを把握しておくべきです。
セルサイドの負担:
M&Aアドバイザーを途中交代する場合、新担当者は改めて最初からターゲット企業や業界についての理解を深める手続きが必要となるうえ、特に、簡易なサポートのM&A仲介業者から、フルサポートのFA(Financial Advisory)に交代する場合には、セルサイドは負担感を感じるかもしれません。改めて着手金等のコストを負担する必要もありえます。
それだけの費用・負担に見合うだけの具体的効果が見込めるかどうかについては、交代を検討するM&A助言業者としっかりと相談して決めることが重要です。良心的なM&A助言会社であれば、取りうる選択肢を懇切丁寧に教えてくれると思います。